2008年2月7日

『7週間後の抑うつを予測する認知的要因』探し。

Cognitive Therapy and Research,27,2003,619-637

Attentional Bias and Mood Persistence as Prospective Predictors of Dysphoria

たまには研究テーマに関するお話。
趣味の本だけでなく『本業』も読んでいるという意思表示と自己暗示

ざざざと殴り書き。

・抑うつに対するgroup sessionに参加中の大学生77名(never depressed:remitted depressed=2:1
・階層的重回帰分析
・ストレス反応×ネガ気分への誘導前後の注意バイアスの『変化』と、
 ストレス反応×"mood persistence"の2つが7週間の抑うつ気分の変化を予測するか否かを検討。
・ネガ語への注意バイアスの『変化』と"mood persistence"のどちらも有意な予測子だった。
・気分誘導前のネガ語への注意バイアスは有意な予測子ではなかった
・ポジ語への注意バイアスも同じく


ネガティブな言葉に注意を向けちゃうクセを持っているだけなら別に構わないけど、
気分が凹んだ時にそのクセがひどくなるようならマズイ…というお話らしい。

ただし、never depressedな人とremittedな人との間の比較は行わず。
両者の違いは認知的脆弱性にある、という感じの先行研究とは…ちょっと違う視点なのではと思うが
読み込みが足らないかも。

ほんのりと今やってる研究をザクリと否定されてみたりする。
自分の研究は、“depressed”な人の「注意バイアスの存在自体」にどういう機能があるのかという
限定的な検討になっているのだが…

しかし指標の算出が何だか難しい。
単なる勉強不足なのだけど、time1とtime2の間の変化量を求める際に、
"Standardized change scores"なる指標を算出している。
標準化された変化得点??
引用元が書籍だと手が出ないぜ。


しかし・・・何ゆえ『抑うつの認知的脆弱性』の研究というのは
「不安」の測定を行わないのだろうか。何かのポリシー?意図的な無視?

とりあえず『松』。

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